新築建て方に雨が降った!!施主の不安と心配を解消する今後注目するべき3カ所の影響と対策を現場監督より♪

2022-03-07家づくりのetc,建築屋的な話新築住宅、建て方、雨が降った

建て方に雨がふった。
雨の中建て方している。
骨組みが雨ざらし…施主は不安だ。

『我が家は大丈夫なのかしら?』
『施工店は乾燥すれば大丈夫と言っているけど、本当かしら?』
『木材以外はどうなるの?』 
『カビは起きない?汚れない?強度は問題無いの?』
『雨に濡れたけど、今後どこに注意して現場の進捗を確認すれば良いか不安…』
『こっちはシロウトだから、丸め込まれないかしら?』

打ち合わせを重ね、家族と一緒に過ごす大事な家が
建て方から不安の種になってしまった。

木造住宅構造
木造住宅の骨組み

雨に濡れても


木材は乾燥させれば問題は無い。
しかし、気を付けないといけない部材、部位はある。

ベニヤ材・床下・断熱材の3ヵ所だ!!


業界20数年の現場監督が
施主の不安を解消する建て方と雨の話。

建て方日時と天気の関係

家の模型と図面

工程表は契約時には完成してる。
(仮)とか(案)という場合がほとんど。
もちろんその段階では、建て方時の天候は考慮されてない。
数か月、半年以上の先の話。
場合によっては、1年程先の事。

詳細が決まり現実的な工程表を作成する際には
着工から引き渡しまでのタイムスケジュールが決まってる。

実際工事が始まると変更等が発生し、工程にも影響が出る。
現実的に煮詰めたモノでも、工事の過程で変更はつきもの。
木造注文住宅では良くあること。

それが家づくり。

工程表作成時には建て方は決まっている・・・しかし

資材搬入計画、人員、他現場との調整をしながら段取りがすすむ。
外仕事は天候の影響が大きい。
現場の進捗具合、安全作業にも影響がでる。
だから天気の良い日に工事をはじめたい。

ようするに…

建て方の最終確定する判断は天候を考慮

建て方は、天気予報で最終確認。
数日間天候が良く、建築暦的にも良い日を建て方日にする。
(大安・吉日の他に建築的な良い日を考慮)

雨対策など準備を万全にして建て方を

天気予報で決めても、実際は2週間程前には段取りが完了している。
天候も変わることもある。
準備が間に合うギリギリのところで決めます(個人的に)

現場は雨の降る降ないに関わらずブルシート類が大量に準備されます。
資材の養生にも使う為。
雨の場合にはその対策にも使われます。

段取り八分です。

天気予報と違い雨がふる時もある。雨の影響は?カビは?強度は?

水たまりと雨
天気予報と違い雨がふる時もある

外部での仕事は自然が相手、受け入れるしかないのが現実

天気予報が晴れでも
雨が降る場合はある
一時的なにわか雨だったり。

多少の雨は雨天決行
安全作業に努めながら。

台風や防風なら中止。


雪国の現場監督は
当日の朝、吹雪などの天候不良での中止や待機は
1度や2度じゃない😥

自然には勝てない、受け入れるしかない。

重要なのは雨に濡らさないことでは無い。起きた後の対応が大事

雨に降られることは経験上、何度もある。
木造住宅は、出来るだけ雨に濡らしたくはない。
それでも、いくら準備しても、濡れる場合もある。

それはしょうがないこと。

起きたことをどう対処するか?
濡れた木材をどうするのか?
大事なのはその後の対応!!

使われる木材は乾燥材。
雨に濡れたとしても表面上だけ、工事中の風や日差しで乾く。
乾かせば問題ない。
実際、工事中に雨に濡れても木材はすぐ乾く。
カビが発生することも、腐る事もまずない。
もちろん、強度が弱くなることもない。
会社担当者や大工が
『乾かせば問題無いよ』
というのは、本当。

何日間も雨ざらしなんてのは、普通は無い…。

仕上げに見える柱や梁材は、水跡が残るかもしれない。
ベニヤ系のものは、茶色い灰汁などが出るので注意が必要。

跡や汚れがついても洗浄や研磨で綺麗に仕上げる事も出来る。

新人時代の話…
当時のベテランに

『昔は建てた後、何日間もほっといたもんだ。雨やお日様にあて、乾燥させてからタチナリを直して工事を再開したもんだ』なんて遠い国の話を聞かされた。

きっと、構造体に使う木材もG材(今のように乾燥した木材でない時代)
手板に図面を大工が作り、切り込みしていた何十年の前の話。
(今はプレカットという機械加工が大半)

ほんの20数年前は、
建て方が終わってから足場組んでた。
安全対策という面でも
今じゃ考えられないおとぎ話…脱線😶

木材(柱や梁材)は乾燥すれば問題ない。注意するべき3カ所はベニヤ材・床下・断熱材

疑う女の子
心配で不安で…

建て方に雨に濡れても

木材自体は乾燥させれば問題は無い。
しかし、気を付けないといけない部材、部位はある。

!!ここから大事!!

ベニヤ等の接着剤を多用した資材

屋根下地材に多用されるベニヤ系は水に濡れるとソリ等が起きやすくなる。
また、接着材などの成分が溶けだし汚れた水の跡が付きます。
その汚れが仕上げに見える柱や梁に付く場合もある。

コンクリートの養生にベニヤを使う時も濡らされません。
コンクリに付いたら処理が大変。

元通りの綺麗な状態にはならない。

駐車スペースや車庫のコンクリートが完成されていて
資材置き場や作業場に使う為にベニヤを敷く場合は要注意です。

べた基礎工法の床下

べた基礎等の床下にコンクリ仕上げがある場合。
雨が降ると排水が出来ずにプールのように水が溜まる状態になる。
排水用の処理がされていても、完璧な排水は難しい。

床下に水が溜まっている状態で
もしくは、見た目にも基礎や床のコンクリが濡れている状態で
床を塞ぐのは絶対NG。

キチンと排水してコンクリートを乾かしてから床下地材の施工。
コレ、常識。

なぜならば・・・
床下が湿っている状態で床下地材で塞ぐことで
床下がいつまでも乾かず、湿気が籠り木材に腐れやカビを起こ

現場進捗的にも
足元の安全性の確保にも
1階床下地は早めに施工を終えたい部位。

しかし、その為には床下が乾いた状態ではいけない

現場に携わる人間は皆分かっています。


常識です。
乾かさずに床を塞ぐのは、木材の腐れやカビ発生の原因。

『床下に風が通るから大丈夫』
なんて、説明されたら疑ってください。
そんな説明する人間を。

床下に湿気を籠らせない為の通風で
濡れた床下を乾かす為の通風ではない。

そもそもプールのままでは乾きません…
放置してると藻が生えているかも。

床下点検口等で確認するとカビ臭い。
なんて状態なら危険。

コンクリートは乾いてから2年程は
湿気を放出すると言われてますから。

床下と同じく屋根裏や壁面も
空気が流れなくなる状態になり
施工後に乾く。というのは期待出来ません。

乾いてからの施工が正解。

断熱材は乾いた状態が断熱材、濡れた状態なら断熱材でもなくカビの元

床下や土台、柱が濡れた状態で断熱施工すると
断熱材にも悪い影響が出ます。

吹付系だと接着不良や剥離(剥がれたりそもそも接着出来ない)
また、断熱材自体が水分を含む素材だと
湿気を帯びた木材等から水分を吸湿して
断熱材としての効果も期待出来ない。

断熱材は乾いた状態で本来の役割が出来る。
濡れてしまったり、断熱材が結露を起こしたりするような施工ならダメ。

梅雨時期や降雪時の工事では
特に気を付けて施工する必要がある。

作り手側はプロです。
自分(現場)に都合の良い説明はいくらでも出来る。
相手の建て主はシロウトだから分からないだろうと
丸め込むような業者も居るかもしれない。

知識を持ち、自ら確認する術を持ちましょう。
『大事な家族と過ごす家です』と言うなら
必要な知識を得て、施工店とも信頼関係を築きましょう。

家づくり自体がストレスの元では本末転倒です。

まとめ ~建て方の雨も考え方しだい~

家の模型とスケール
楽しみでワクワクするもの。それが家づくり♪

建て方と雨を解説した。

建て方で雨に濡れるのは
施主としては不安で心配。

『雨に濡れた影響は?』

木材(柱や梁材)は、乾けば問題は無い。
一般的に使用される乾燥材は
多少の雨に当たっても表面上が濡れるだけで
すぐに乾き、カビや強度の心配もない。

雨に濡れた建物の施主は

ベニヤ等の状態
床下の乾燥具合
断熱材の状況

以上3カ所を意識してチェックする。
仕上がりや建物の性能に影響が出る部分。

特に、隠蔽部分(工事が進むと目視の確認が出来ない隠れる部分)で
カビや虫が発生していたら大変。
見えない部位だから腐れや痛みの進行が気付かないウチに進む。
そして、建物の寿命も極端に短くなる…悲惨。

建て方の雨は縁起物!?考え方しだいで受け取り方も変わる

建て方の雨は縁起物とも言われる。
天から福が降りこむとか
永遠の火消しとか
『雨ふって地固まる』という言葉もある。

考え方しだいで受け取り方も変わるから
過剰に悪く考える必要もない。
家づくりは楽しみでワクワクするものでしょ♪

また、家づくりは大工職で出来や満足度も変わるかもしれない…
大工職との関係性と言った方が良いかな。

現場とコミュニケーションをとりながら
作る過程も楽しめるなら
現場とそんな関係を築けるなら
家づくりは、ほぼ成功と言える。

『雨に濡れたけど大丈夫?』
『大丈夫な理由は?』なんて

施主としては心強いよっ♪


経験豊富で面倒見が良い
親戚のおぢちゃんみたいな存在の大工職人が現場に居るなら(笑

現場管理の定義はこちらから♬

おしまい