建売住宅のメリット・デメリットの話。現場監督が語る購入前に知るべき注文住宅との違い

2022-02-19家づくりのetc,建築屋的な話

衣・食・住の住の話。
家づくりや購入を計画中、いつかは夢のマイホームと考えている方へ。
建売住宅と注文住宅の違い、そして選び方のコツを。

あるデータによると建売住宅と注文住宅の比率はおよそ6:4。


都市部はもっと建売が多く、地方では注文住宅が多いようです。
私の住む地域ではどうだろう。
体感では注文住宅の方が多いような気がする。
人口10万人以下の地域です。
それでも建売住宅関連会社は数社ある。
建売住宅の工事も良く見かける。

そんな建売住宅と注文住宅の違いを
業界20数年目の東北の注文住宅の現場監督の私見を。

建売住宅と注文住宅、最大の違いは
住宅にこだわりを詰め込み『形』にするかどうか。
文字通り、建っている完成品を買うか?
住宅を注文するか?の違い。

その違いを具体的に
互いのメリット・デメリットも。

建売住宅とは?建売を選択した場合のメリット

住宅街

土地プラス建物で販売している住宅。
完成済みなら即入居可能。
計画段階での販売もある。
変更工事や追加工事などセミオーダースタイルの場合もある。

最大のメリットは
家を買うと決めてからマイホームに住むまでの期間は短い。
土地探しの手間が省ける。
業者との打ち合わせも少ない。
自分で家の仕上げに悩むこともない。
一般的に価格も安価である。

注文住宅とは?注文を選択した場合のメリット

打ち合わせ

間取りや仕様を打ち合わせして完全オーダーの住宅。
土地は施主側で準備をする。
業者により自社の分譲地の販売、希望の土地を探し提案もする。

最大のメリットは
間取りも素材も仕様もこだわり抜いた完全オリジナルの住宅になる。
打ち合わせ完了後に着工する為、工事の過程も確認出来る。
現場の進捗確認や工事過程での変更を打ち合わせしながら業者と一緒に住宅を作り上げる。

建売住宅のデメリット

間取りや仕様は決まっている。
外観・内観は同じようなものが多い。
連なって建っている場合、皆同じに見え個性が無い。
一般的には設備、建材のグレードは低め。
電気設備や収納が少ない。
断熱性能は高くない。
完成品として家を買う為、工事がずさんだったとしてもわからない。
工事過程の確認が出来ず隠蔽部分の不安がある。
追加工事の金額が高い場合もある。
数年で大規模な修繕やREFの恐れもある。
労せずの完成品の為、愛着が薄い。

注文住宅のデメリット

こだわり抜く結果金額が高額になりがち。
土地からの場合、希望の土地がなかなか決まらない。
家を建てると決めてからマイホーム入居までの期間がながい。
間取りをはじめ、決める事が多くなかなか決まらない。
こだわりが現実的じゃなく業者よりの反対もある。
打ち合わせ期間・工事期間含め家づくりに時間を取られる。
予定通りに打ち合わせ、工事進捗が進まない事もある。
工事期間に関わる人員が多くストレスを感じる場合もある。

建売住宅・注文住宅に共通の後悔しない為に

図面と模型

住宅の購入、建築は入居して終わりということはない。
入居してからの方が業者とはながい付き合いになる。
マイホームは住んでいくと様々なことも起きる。
不具合や故障、それに伴う修繕。
家族構成の変化や経年劣化による改修工事や増築など。
完成後の付き合いもある。

業界にながく居るとREFや修繕もある。
他社で施工したが既に廃業している。
業者は存在しているが良い関係を築けて無く頼みたくない。
信用出来ない等々…は見聞きすることだ。

購入にしても、建てるにしても業者の事はよく調べること。
数年で無くなるような会社では不安だ。
評判などはOBでも、ネットでもいくらでも調べようがある。
家族と過ごす大事な家という買い物。
決して安くはない買い物だから。
また、キチンとした施工の証明として各種書類も。
注文住宅では普通はありえないが、建売住宅も契約前に
建築確認済み証、検査済み証、地盤調査報告書があるかの確認は必要。

まとめ

晴れた空

建売住宅と注文住宅の事を監督目線で網羅しました。

施主目線でまとめるなら…

こだわりが優先なら注文住宅。
すぐ住める・金額が優先なら建売住宅という感じかな。

私は地方の監督の為。
比率の8:2というのは驚いたが、
それだけ建売住宅の数があるのでしょう。

欲しい土地に、欲しい間取りの建売があるとして
金額も問題無いならその物件は施主にとって最高な買い物だろう。
ある意味運命的な出会いとも言える。

この記事が必要な人の目に止まりますように。

あとがき

住宅の着工件数は年々減っている。
15年程前には約120万戸あった着工件数は約80万戸へ
見立てでは数年で60万戸との予測もある。
建築業界では空き家問題も深刻化。
つまり・・・家が余ってる。
業界にいると体感します。

中古物件の大規模な改修しての販売やD・I・Y等
持ち家に関する考え方もいろいろな形がある。
自分と家族にとってより良い家を得る事が出来たら
しあわせなことだ。

おしまい