なぜ結露は起きる?結露しやすい家は欠陥住宅なのか?クレーム入れる前に結露の発生条件を知ろう。新築住宅でも結露は起きるし結露のしない家はない。

2022-03-07家と雪国の冬の暮らし,建築屋的な話結露しやすい家、欠陥住宅、新築住宅

結露は自然現象。
結露には原因がある。

結露の窓ふき

新築だろうが
高気密高断熱だろうが
結露発生の条件が揃えば結露する。

『新築なのに窓の結露がひどい!!欠陥住宅だ。』と思う施主も
『自社の家は高断熱高気密だから絶対に結露はしない。』と言い切る営業もいるかも知れない。

建築業界では
30年前から聞く話。
30年経ってもあるのだろう。

建築業界の人でも
結露発生の条件を理解してない人はいる。
ぼんやりとした程度の人もいる。
だから
結露の説明もアドバイスも曖昧(笑。

だ か ら

結露しやすい家は欠陥住宅になり
自社の性能が良い家は結露が起きない…
という解釈になる。

断言する。
結露のしない家はない。
それが新築でも。

なぜなら、条件が揃えば結露は起きるから

読むことで結露の発生条件を知ることができる。
条件を知ることで結露を防ぐ手段も得ることができる。

建築関係者が結露の悩みを持つ人に
説得力がある説明が伝わるなら
断熱改修工事や新築の受注につながるかもしれない。

窓が結露すると窓まわりのカビが生えやすくなる。
カビが生えることで健康被害が起こる可能性もある。
カビが生えなくても結露の水分自体が家を痛める原因になり

大事な家の寿命を極端に短くする。

そんな怖くて恐怖の
寒い時期の風物詩『結露』を
雪国の現場監督より♪

結露の原因は空気中に含み切れなくなった水分

空気中には水分が含まれている。
気温が高いほど多くの水分を含むことが出来る。

その暖かい空気が冷たい壁などにふれ、冷やされると
含み切れない水分が凝結して水滴として出て
くる 

これが結露。

この時の温度を露点という。

コップに氷を入れ水をそそぐと
コップのまわりに水滴が付く。
コレも結露。

コップと結露
冷えたコップに空気が冷やされる。

冷たいコップにまわりの空気がふれて冷やされる。
含み切れなくなった水分が水滴としてコップのまわりに付いた状態。

結露の原因は空気中に含み切れなくなった水分。

窓が結露するのは、その窓が結露発生の条件を満たしているから

結露だらけの窓
サッシ枠から冷やされ結露する窓ガラス

水分を含む暖かい空気が冷やされて起きる結露。
家の窓で起こる冷やす原因はサッシ枠。

家の中には、外部の寒さ(冷たさ)をサッシの枠を通して室内へ伝わる。
(空気を冷やす壁など=サッシ枠)
冷えたサッシ枠が室内側の空気を冷やし結露を発生させる。

外気の熱(冷たさ)を伝えやすいアルミサッシは結露しやすい。
樹脂サッシでも結露は起きる可能性はある。

つまり


古い家だろうが、新築だろうが
条件が揃えば結露は起きるということ。

窓の結露を防ぐにはサッシの性能を上げ熱を伝えにくい素材を選らぶ

レベルアップ
より高いレベルで

アルミサッシ→樹脂サッシ→木製サッシの順に熱は伝わりにくい

サッシの性能を高くして
外気の熱(寒さ)の影響を少なくすることは
窓の結露防止には有効である。
新築時や窓の改修工事の際には頭の片隅に。


既存の窓の内側に新たにサッシを設ける事も
サッシの性能を上げ、結露防止には有効です♪

結露発生の影響になる湿度調整、換気不足などの住環境も大事

温湿度計
温湿度管理は大事

結露は窓の性能による部分が大きいが
家の中での暮らし方も影響はある。
湿度が高い、通気性が悪い、換気がされてないなど。

湿度が高いと結露は起きやすい

通気性が悪く換気されていないと
室内の湿度が高くなっていく

空気に含まれる水分が多い(湿度が高い)と
少ない温度差で結露が生じやすくなる。
快適な湿度は50%~60%。

温湿度計を使い湿度を意識した生活も大事。
冬場は乾燥して湿度30%を下回る事もありえる。
朝、寝起きに喉が痛い等は湿度が低すぎることが原因。

家族構成によっては、もっと低くなることもある。
使用する暖房機器の影響もある。
湿度は室内の過ごし方で高くも低く出来る。

加湿器も使い方を誤ると結露の原因になる。

室内の温度を気にする人はいるが
湿度に気を配る人は少ない。

湿度は快適な住環境には欠かせない要素。

窓の結露は何℃で発生するの?

現場監督の聞き取り

建築屋は時として
空気線図
温湿度計
放射温度計や
サーモカメラ等を用いて
結露の説明やアドバイスも行う。

温湿度計と空気線図を使い
現状の温度を露点温度の説明。

放射温度計やサーモカメラでサッシ枠の計測…

仮に室温25℃湿度50%の状態なら14℃以下で露点温度になる。
サッシ枠が14℃以下まで下がると結露が発生するよ。って感じだ。


感覚の話ではない事実の話。

結露の原因は
室内環境なのか?
サッシの性能なのか?
顧客の求める優先順位はどうなのか?

結露を改善したいのか?
予算内で出来る改修は何か?


プロとして最善策を提案。
断熱改修工事や新築受注に結び付く場合もある。

まとめ ~新築住宅でも結露は起きる~

晴れた空

怖くて恐怖の寒い時期の風物詩、窓の結露を網羅した。

窓の結露の原因は窓枠からの冷え。
対策はサッシ部の性能を上げること。

結露の原因は空気中に含み切れなくなった水分
結露は条件が揃えば発生する。

新築住宅でも結露は起こりえる現象で
結露が起きるから欠陥住宅とは言えない。


また、新築住宅の完成直後は建物自体が水分を含んでいる。
漆喰仕上げやコンクリ系は特に含んでいる。
ベタ基礎も1年~数年は水分が出る。
建築後2シーズンくらいは結露も出やすいと状況といえる。

30年前から聞く話。
きっと30年後も…
もしかしたら永遠に続く話かな。

ちなみに
我が家は寒い地域に建っている高断熱住宅
樹脂サッシのトリプルガラス仕様だが
結露する窓はある。
北側に面した湿度の高い部屋の窓と
玄関ドアは外気温の影響で結露する時もある。

高気密高断熱だから
樹脂サッシだから
トリプルだから

結露しないとは言えないよ♪

おしまい