駐車場コンクリート(アスファルト)が浮きあがった!?冬の浮き上がりの原因は自然現象の凍上(とうじょう)~コレで解決原因究明

2022-03-07家と雪国の冬の暮らし,建築屋的な話凍上,排水桝,浮き上がり

住宅の敷地内には
住宅内からの排水が地面の中で配管を通し下水に(浄化槽も)接続されている。
その配管は、曲がる部分や合流部分には地盤に見える形で丸い桝が設置されている。
桝を利用しメンテ等を行う為だ。

排水桝

これは、業者が行うもの。
施主が何かをするものでは無い。

その桝が冬季間に数cm下がって見える事が有る。

『桝が下がった!?車で上がったかな?』

実際はその逆
敷地内のコンクリートやアスファルト舗装が上がったのだ。

結果、高さが変わらない排水桝が下がって見える。

寒い時期に起こる浮き上がり現象。

春に暖かくなると自然と下がる。

その原因は
その犯人は
凍上(とうじょう)

寒気により地面が冷やされ凍結して地面が隆起する自然現象だ。

霜柱が地面の中で起きて地盤を持ちあげているイメージ。

寒い時期に起こる
不思議な浮き上がり現象の話。

雪国で建築業界20数年目の現場監督が
過去の実例と共に。

アスファルトが浮き上がる理由(コンクリートも)

アスファルト

気温が下がる冬季間、駐車場等のアスファルトが浮き上がることがある。
地盤の中の地表面に近い部分の水分が凍結することで、地盤が盛り上がる。
アスファルトより下の部位の砕石や土壌が凍ってる状態。

その際に砕石や土も巻き込んで
霜柱が出来、下から持ち上げられている状態に。

結果
地表面ではアスファルトが浮き上がる。

これが理由犯人は自然現象。

施工不良では?
転圧不足では?
砕石足りないのでは?
凍結深度は?

なんて、疑問もあるでしょう。
正規な施工した場合でも起こる。
砕石下の地盤が粘土質系等の水が浸透しにくい地盤なら起こりえる。

その浸透しにくい土を全部取り除けばいいんじゃないの?
地中内に暗渠を設けて排水を促せば良いじゃん。

と言われれば、それまで。
全くその通り。

凍結深度は地域ごとに設定されている決まり事。
地盤面より〇〇cmまでは冬季間凍るかもしれないよ♪
という数値。

凍結深度以上に掘ったから、
処理したから絶対大丈夫ということでもない。

相手は自然。

よく聞くでしょう
過去に無い、数十年に一度とかいうフレーズ。

↑ これらを想定した決まりは無い。

重いコンクリートでさえ6cm浮き上がる

アプローチコンクリート

浮き上がりは雪国では良く見聞きする。

経験談になるが

住宅前の駐車スペースのコンクリート工事
間口16m、奥行き6m程度だったかな?
4m×6mで割り付けして(型枠で区切り)
コンクリ厚150mm(鉄筋組)、砕石厚200mm。

…だったような気がする。

このコンクリートが冬の始まりの頃に
6cm持ち上がった。

駐車スペースのコンクリートは
特別な場合(融雪工事等)を除き、小さく区切って仕上げる。
何かしらの力が掛かった場合、ひび割れを防ぐ目的。

縁を切る目的で部材を挟み混んだり
隙間を開けたり、カッターで切れ目を入れます。
強制的に弱い部分を作り、表面上のひび割れを防ぐ為。

道路や歩道の縁石も
数m置きに縁切りの部材が使われていますよ♪

住宅の駐車スペースで施工されるアスファルトは4cm~5cmが多い。
それに引き換え、コンクリートは15cm程の厚さが多い。(私が居る地域では)
厚さが3倍程度になる。

ちなみにその重量は、計算上…

コンクリートの重さは8t以上になる!それでも持ち上る自然の力

持ち上げる人

4m×6mで厚さ15cmのコンクリートは
鉄筋を抜いても8t以上になる!!

この重量を6cmも持ち上げてしまう。

並みのマッチョマンじゃ
自然に勝てないね。

春には下がりましたけどね。


傷あとに何本かのひび割れを残してくれました。

建築業界にながく居るし
凍上も知ってたけど
このクラスは初めての経験でしたね。

まとめ

寒い時期に起こる自然現象『凍上』を
実例と共に書いてみた。

寒い地方で無いとあまり馴染みのない言葉・現象かもしれないね。

建築関係者でもあまり経験は無いかな?

コンクリートやアスファルト以外にも
オイルタンクやエアコンの室外機などが
凍上の影響で傾いたり
持ち上ったりもします。

もし
寒い時期、凍れていて
こんな自然現象を見かけたら

こう言いましょ。

『凍上(とうじょう)の登場(とうじょう)だな』

吹雪き

ひぇ~  寒いよぉおおおおお。

お後がよろしいようで・・・
良いのか?

地中は目視出来ないけれど
家の壁面は内部の状態を可視化すること出来るよ。

性能を魅せるサーモカメラの話!!

おしまい